まだまだ寒い日が続きます。乾燥した冷たい風が吹き付けて、体の芯まで冷え切ってしまいそうです。
こんな寒い日には、ポカポカの温かい飲み物が恋しくなります。
熱燗や焼酎なんかのお湯割りも良いですが、ここでは体にも心にも優しいココアのお話です。
日本では飲み物を「ココア」、食べ物を「チョコレート」と呼び分けていますが、アメリカではココアのことを「ホットチョコレート」と呼ぶそうです。
映画「ロリータ」の中にもメロンソーダにチョコレートをたっぷりと入れて飲むシーンが出てきます。
チョコレートもココアも、原料は同じで「カカオ豆」です。そのため、健康成分として注目の「カカオポリフェノール」の摂取が期待できます。
カカオポリフェノールの中に含まれる成分が血流を促進し、むくみや冷えの改善につながるということなので、寒いこの時期にはもってこいの飲み物と言えます。
この他にも、ココアに含まれる成分には、リラックス効果を促したり、血糖値を抑制したり、筋肉増強を促し、代謝をサポートしてくれるものもあります。
ただ、お砂糖が入っている甘いココアとなると、飲み過ぎに注意です。
また、ココアなどの粉末状の食品は、開封後の保管にも気を付けたいものです。さらさらとした粉末状のココアですが、保管状態が良くないと、チョコレートと同じくブルームが起きてしまうことがあります。温度の変化などが原因で、カカオの中の脂肪分が溶けて白く固まってしまうもので、飲んでも害はありません。
ピュアココアではなく、飲料用にお砂糖などが入っているタイプだと、白い粉状に見えることもあります。
さらに長期間、ココアを放置していると、袋の中で虫が湧いてしまうなんてこともあるようです。ココアに限らず、粉末状の食品を保管する際には、しっかりと封をしているつもりでも、ちょっとした隙間から虫が侵入することがあるようです。そうなったら悲劇です。ちょっとしたホラーな光景がひろがります。
ここで、ココアの飲み方について。
とってもお上品な年上のお友達が、いつだったか、
「ココアを沸かして飲むの」
というようなことを仰っていました。意味が分かりませんでした。
私は、ココアとはカップに粉を入れてお湯を注いでかき混ぜて飲むもの、と思っていたからです。
よくよく聞いてみると、ミルクを沸かすのに使う小さな鍋に、ピュアココアと少々のお砂糖、それに少々の牛乳を入れてよく練り、火にかけて、一杯分の牛乳を入れながら、ヘラでかき混ぜて溶かしていく。飲み頃の温度になったら、カップに注いで頂く、というやり方なのだそうです。
女子力が少な目の私は、
(あー、なんだか面倒くさそう……)
と思いながらも、ちょっぴり好奇心にかられ、ものは試しでやってみました。すると、確かに、これまで飲んできたココアよりも風味が増して美味しく感じました。
お湯を注ぐだけで手軽に美味しく飲めるココアですが、あえて、手間と時間をかけて淹れてみるのも良いかもしれません。やらなくても良いことに敢えて時間をかけるのって、むしろ贅沢なことなのかも……と思う今日この頃です。